top of page
検索

36協定を遵守するための実務上の注意点

  • 阪尾コンサルティング事務所
  • 5月13日
  • 読了時間: 3分

「時間外労働・休日労働に関する協定」(以下、「36協定」という)を年度単位で締結されている企業が多くあるかと思います。毎年、36協定の締結・届出をしていても、その運用に問題があるケースが少なくありません。そこで、以下では36協定を遵守するための実務上の注意点を解説します。


[1]日常的なチェックポイント

 36協定で協定した内容を遵守するため、日常的に、以下の2点をチェックする必要があります。

  1. 「1日」「1ヶ月」「1年」のそれぞれの時間外労働が、36協定で定めた時間を超えないこと

  2. 法定休日労働の回数・時間が、36協定で定めた回数・時間を超えないこと


 1.については、「1日」「1ヶ月」「1年」のそれぞれの時間外労働の時間数を管理する必要があります。特に「1年」は、例えば9ヶ月目に1年の時間外労働の上限に達することで、それ以降の時間外労働が全くできない、といった事態にならないように、起算日からトータルで集計し、管理する必要があります。

 次に2.については、36協定で協定した内容で収まるようにする必要があります。例えば、法定休日労働の回数が2回とされているのであれば、その範囲に収まるような休日の確保をすることが必要です。


[2]特別条項を適用した場合のチェックポイント

 36協定に特別条項を付け、実際に適用する際には、以下の3点について注意が必要です。

  1. 36協定で協定した特別条項を適用する場合の手続きを確実に行うこと

  2. 特別条項を適用する回数が36協定で協定した回数を超えないこと

  3. 1ヶ月の時間外労働と法定休日労働の時間数の合計(以下、「合計時間数」という)が、単月で100時間未満、2~6ヶ月の平均をとって1ヶ月当たり80時間以下であること


 1.については、特別条項を適用するごとに、36協定で定めた手続きを行う必要があります。例えば、「過半数代表者に対する事前申し入れ」とした場合には、特別条項を適用するごとに申し入れる必要があります。

 2.については、例えば36協定で「6回」と定めた場合、従業員ごとに6回を超えないように管理することが求められます。なお、特別条項の回数は最大6回とされています。

 3.については、例えば合計時間数について1ヶ月90時間と締結した場合、まず、1ヶ月目は90時間以下とする必要があります。これに加え、1ヶ月目以降を起算とした2~6ヶ月の平均の時間数は、1ヶ月あたり80時間以下とする必要があります(絶対的上限規制)。そのため、1ヶ月目の合計時間数が90時間であった場合、2ヶ月目は70時間以下としなければなりません。この2~6ヶ月の平均は、36協定の有効期間にしばられることなく、前後の36協定の期間をまたいで適用されます。


 特別条項を適用した従業員に対して、会社は36協定で定めるいわゆる「健康福祉確保措置」を実施し、この実施状況に関する記録を36協定の有効期間中および有効期間の満了後3年間保存する必要があります。対象になったときは必ず実施するとともに、記録を残しておきましょう。


参考リンク

 
 
 

最新記事

すべて表示
1か月45時間以内への時間外労働削減の一律指導見直し

厚生労働省は「時間外労働等に係る相談・支援及び監督指導を見直します」という文書を公開し、1か月45時間以内への時間外労働の削減を求める一律の指導を9月1日より見直すという方針を示しました。 以下はその原文です。 ■労働基準監督署における対応の見直し 時間外・休日労働時間数のみに着目して1か月45時間以内への削減を求める一律の指導を見直し、各事業場が36協定で定める健康及び福祉を確保するための措置の

 
 
 
精神障害の労災支給決定件数

従業員がメンタルヘルス疾患を発症し、欠勤や休職をするケースがありますが、その中には、仕事による強いストレスがその原因となっている事例もあるようです。公表された資料の内容を確認した上で、企業に求められる対策について見ていきます。 [1]精神障害の労災補償状況  精神障害の労災補償状況は、2025年度の請求件数は4,958件で、前年度の3,780件から1,178件の大幅増加となりました。また、支給決定

 
 
 
熊本地震を受けた雇用・労働に関する特例措置や支援制度

令和8年熊本地震により被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。 今回の地震を受け、労働関係でも様々な特例措置や支援措置が講じられ、厚生労働省ホームページでも案内が行われています。 ■労働者の皆様への支援・特例措置・雇用保険の基本手当の特例措置について 令和8年熊本地震の発生により、熊本県の一部地域に災害救助法が適用されたことに伴う、雇用保険の基本手当の特例措置が講じられています。詳しくは最寄

 
 
 

コメント


株式会社ジー・エフ・イーコンサルティング

阪尾コンサルティング事務所

​埼玉県川口市川口6-8-23-301

048-253-0844

©2022 阪尾コンサルティング事務所

bottom of page