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阪尾コンサルティング事務所

36協定を締結する際の注意点

 「時間外労働・休日労働に関する協定」(以下、「36協定」という)を締結する際、前年と同じ内容で、日付と人数だけ確認して36協定の協定書を作成しているケースが見受けられます。

会社は協定した内容を遵守する必要があり、協定内容を超えて時間外労働・休日労働を命じることは、

労働基準法違反となります。以下では、36協定の締結において理解しておきたい労働者数と休日労働に関する項目の意味について解説します。



[1]労働者数とは


 協定事項には、労働者数がありますが、この労働者数とは、在籍している労働者の人数ではなく、

時間外労働・休日労働を行わせることが想定される人数をいいます。 この労働者数については、協定の有効期間中に、入社や退職により記入した人数と実態が乖離することがあります。

このような場合であっても、再度、36協定を締結して届け出る必要はなく、

締結後に入社した労働者に対しても協定の範囲内で時間外労働や休日労働を命じることができます。



[2]休日労働に関する項目


 協定事項には「労働させることができる休日の日数」があり、

36協定の協定届には「労働させることができる法定休日の日数」と「労働させることができる法定休日における始業及び終業の時刻」があります。 まず、「労働させることができる法定休日の日数」とは、法定休日に労働させる可能性のある日数をいいます。

厚生労働省が公開しているリーフレット「36協定の適正な締結」にある36協定届の記載例では、「1か月に1日」という内容になっており、

この場合、法定休日に労働させることができるのは1ヶ月に1日のみとなります。そのため、例えば繁忙期は法定休日のうち、

2日は出勤してもらう可能性がある場合には、「1ヶ月に2日」と記載します。 次に、「労働させることができる法定休日における始業及び終業の時刻」とは、

法定休日に労働させる場合の始業時刻と終業時刻をいいます。この時刻について、会社の通常の始業時刻と終業時刻を記載しているケースを見かけますが、

この時刻が法定休日に労働させることのできる始業時刻と終業時刻となります。通常の始業時刻よりも早く出勤させる可能性がある場合などは、会社が想定する時刻を記載しましょう。



 年度末に向け、36協定の締結に係る準備を始める企業も多いかと思います。協定する内容や数字にどのような意味があるのかを確認した上で、業務の実態を踏まえ、内容を決定し、締結しましょう。

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