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腰痛の労災認定の考え方

  • 阪尾コンサルティング事務所
  • 6月11日
  • 読了時間: 2分

従業員が腰痛になり、労働災害(業務上災害)として認定してもらえるのか、相談を受けることがありますが、もともと持病として腰痛があるようなケースもあり、判断が難しいこともあります。これに関して、2025年3月に厚生労働省よりリーフレット「腰痛の労災認定」が公開されましたので、以下ではこのリーフレットの内容をもとに、腰痛の労災認定の考え方を解説します。


[1]腰痛の認定基準

 腰痛の認定基準では、腰痛を「災害性の原因による腰痛」と「災害性の原因によらない腰痛」に分けて認定要件を定めており、それぞれに定められた認定要件を満たす場合に労働災害の対象となります。


[災害性の原因による腰痛]

負傷などによる腰痛で、次の要件をどちらも満たすもの

  • 腰の負傷またはその負傷の原因となった急激な力の作用が、仕事中の突発的な出来事によって生じたと明らかに認められること

  • 腰に作用した力が腰痛を発症させ、または腰痛の既往症・基礎疾患を著しく悪化させたと医学的に認められること


[災害性の原因によらない腰痛]

突発的な出来事が原因ではなく、重量物を取り扱う仕事など腰に過度の負担のかかる仕事に従事する従業員に発症した腰痛で、作業の状態や作業期間などからみて、仕事が原因で発症したと認められるもの


[2]ぎっくり腰の考え方

 仕事中に、従業員がいわゆるぎっくり腰(病名は「急性腰痛症」など)になるケースがありますが、これは日常的な動作の中で生じるため、仕事中に発症したとしても、通常、労働災害の対象とはならないとされています。ただし、発症時の動作や姿勢の異常性などから、腰への強い力の作用があった場合には労働災害の対象として認められることがあります。


[3]仕事により症状が再発・重症化した場合の考え方

 椎間板ヘルニアなどの既往症または基礎疾患のある従業員が、仕事を行うことで、その疾病が再発したり重症化したりするケースがあります。このような場合には、その前の状態に回復させるための治療に限り労働災害の対象となるとされています。

 腰痛にならないための対策に取り組む中小企業を支援するために、エイジフレンドリー補助金が設けられています。これは、従業員の身体機能低下による転倒や腰痛を防止するため、専門家等による身体機能のチェックおよび運動指導にかかる経費を補助するものです。今後出てくる詳細情報を確認しましょう。


参考リンク

 
 
 

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