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36協定を締結する際の注意点

  • 阪尾コンサルティング事務所
  • 3月14日
  • 読了時間: 3分

「時間外労働・休日労働に関する協定」(以下、「36協定」という)は、企業の労務管理においてもっとも重要な労使協定であり、この締結・届出がなされない中での時間外労働・休日労働、または協定内容を超えた時間外労働・休日労働は労働基準法違反となります。4月に向けて36協定の締結を行う企業が多いことから、以下では36協定締結において勘違いしやすい労働者数と休日労働に関する項目の意味について解説します。


[1]労働者数とは

 36協定の協定事項とされている労働者数とは、在籍している労働者の人数ではなく、時間外労働・休日労働を行わせることが想定される人数をいいます。この労働者数については、協定の有効期間中に、入社や退職により協定に記入した人数と実態が乖離することがあります。このような場合であっても、再度、36協定を締結して届け出る必要はなく、締結後に入社した労働者に対しても協定の範囲内で時間外労働や休日労働を命じることができます。


[2]休日労働に関する項目

 協定事項には「労働させることができる休日の日数」があり、36協定の協定届には「労働させることができる法定休日の日数」と「労働させることができる法定休日における始業及び終業の時刻」があります。

 「労働させることができる法定休日の日数」とは、法定休日に労働させる可能性のある日数をいいます。厚生労働省が公開しているリーフレット「36協定の適正な締結」にある36協定届の記載例では、「1か月に1日」という内容になっていますが、この場合、法定休日に労働させることができるのは1ヶ月に1日のみとなります。そのため、例えば繁忙期は法定休日のうち、2日は出勤してもらう可能性がある場合には、「1ヶ月に2日」と記載します。

 「労働させることができる法定休日における始業及び終業の時刻」とは、法定休日に労働させる場合の始業時刻と終業時刻をいいます。この時刻について、会社の通常の始業時刻と終業時刻を記載しているケースを見かけますが、この時刻が法定休日に労働させることのできる始業時刻と終業時刻となります。通常の始業時刻よりも早く出勤させる可能性がある場合などは、会社が想定する時刻を記載しましょう。

 36協定を締結する際、前年と同じ内容で、日付と人数だけ確認・修正しているケースが見受けられますが、実態に合わない36協定を運用することで直ちに法違反となる危険性があります。協定する内容や数字の意味を理解した上で、業務の実態を踏まえて適切な協定を結ぶようにしましょう。


参考リンク

厚生労働省「労働時間・休日

厚生労働省「36協定の適正な締結

 
 
 

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